アクリル絵の具と、どう違う?アクリルガッシュの特徴と選び方

目次
  1. アクリルガッシュの特徴
    1. 色ムラが出にくい
    2. 不透明である
    3. ツヤ消し
    4. 速乾性
    5. 発色が良い
  2. 使う前にアクリルガッシュの注意点を確認しよう
    1. ひび割れやすい
    2. 屋外での展示に向かない
    3. 厚塗りに向かない
    4. ナイロンの筆を使う
  3. 目的別にアクリルガッシュを選ぶ
    1. 初めて使うかた
    2. 丈夫なアクリルガッシュが欲しいかた
    3. リーズナブルなアクリルガッシュが欲しいかた
  4. さあ、アクリルガッシュを使ってみよう

アクリル絵の具とアクリルガッシュは、同じアクリル絵の具の仲間です。

「紛らわしい!」という声も、ごもっとも。

しかし実は両者の違いを知ることで、簡単に使い分けができるようになるのです。

(この記事では、アクリルガッシュではない一般的なアクリル絵の具を「アクリル絵の具」と表記しています)

アクリルガッシュの特徴

色ムラが出にくい

アクリルガッシュはアクリル絵の具と違い、色ムラが出にくいのが特徴です。

デザインやイラストレーションの現場で良く使われます。

「キャンベル・スープ」や「マリリン・モンロー」の作品で有名なアンディ・ウォーホルの版画のような、フラットな画面づくりを得意とします。

「キャンベル・スープ」
(出典:キャンベル)

不透明である

アクリル絵の具は「透明」「不透明」「半透明」と3種類あるのに対して、アクリルガッシュは「不透明」のみ。

一度塗るだけで下の色が完全に覆い隠されるので、気持ちよく描けます。

下の絵の具を覆い隠すために、アクリル絵の具のように何度も重ね塗りする必要はありません。

透明のアクリル絵の具は下の色が透ける。(左)
不透明のアクリルガッシュは透けない。(右)

ツヤ消し

アクリルガッシュは乾燥すると、ツヤのないマットな質感になります。

アクリル絵の具よりも透明な樹脂の含有量が少なく、不透明な顔料が多く含まれているからです。

アクリル樹脂のツヤがない分、ツヤ消しになるというわけです。

速乾性

アクリルガッシュはアクリル絵の具と比べて、乾きが速い傾向に。

乾燥したあとはアクリル絵の具と同じく耐水性になります。

発色が良い

アクリルガッシュは含まれているアクリル樹脂の量が少ないので、顔料本来の色がそのまま濃く出ます。

一般的なアクリル絵の具と違い、乾燥後の色の変化も少ないので使いやすいでしょう。

〈アクリル絵の具とアクリルガッシュの比較〉
アクリルガッシュ アクリル絵の具
色ムラ なし あり(不透明なものは色ムラなし)
透明性 なし あり(一部不透明)
ツヤの有無 なし あり
乾燥スピード とても速い 速い
発色 きれい 普通(透明樹脂を使った製品はきれい)

使う前にアクリルガッシュの注意点を確認しよう

ひび割れやすい

アクリルガッシュはアクリル絵の具と比べると、ひび割れやすいというデメリットがあります。

アクリルガッシュは樹脂が少ないので、伸縮性も少ないです。
さらに絵の具の水分が蒸発する分だけ絵の具も縮みます。

布へのペイントなど、大きく曲がったり伸び縮みする素材へ塗るのはおすすめできません。

画用紙やイラストレーションボード、キャンバスに使うのが一般的。

しかしひび割れにくいアクリルガッシュもあります。

ひび割れに強い「ガッシュ・アクリリック・プラス」という製品が、リキテックスから発売されています。(記事の後半でおすすめ商品として取り上げています)

屋外での展示に向かない

アクリルガッシュはアクリル絵の具に比べると耐候性(※)は弱め。

屋外での展示に向きません。

作品は直射日光が当たらない場所に展示・保管するようにしましょう。

ちなみに前項で紹介したリキテックスの「ガッシュ・アクリリック・プラス」は、耐候性が高いことが確認されているので、気になるかたは試してみましょう。
(実験で100年分相当の照射テストをおこなったところ、ほとんど退色が見られなかった)

※耐候性が弱い…風や雨、紫外線により劣化や退色がしやすい

厚塗りに向かない

アクリルガッシュは厚塗りには向きません。

画面に塗った絵の具の量が多いと収縮の度合いも大きくなり、さらにひび割れやすくなるのです。

やはりポスターデザインなどの平面作品に向いています。

ナイロンの筆を使う

アクリルガッシュは一度乾くと、水で洗っても取れなくなります。

筆にこびりついて筆が痛みやすくなるので、丈夫でリーズナブルなナイロン筆を使いましょう。

目的別にアクリルガッシュを選ぶ

初めて使うかた

「ターナー アクリルガッシュ」がおすすめです。



発色が良く、伸びも良いです。
使う際は水で薄めすぎないほうが、色がはっきり出て綺麗に見えます。

ターナーのアクリルガッシュは美術大学や専門学校でも使われています。

「どの色を買って良いか分からない」というかたは、12色セットから始めてみましょう。

丈夫なアクリルガッシュが欲しいかた

「リキテックスプライム ガッシュ・アクリリック・プラス」がおすすめです。



ほかのアクリルガッシュよりも、耐候性や堅牢性に優れています。

同じリキテックスから発売されている「ガッシュ・アクリリック」と値段も変わりません。

リキテックスのアクリルガッシュを選ぶなら、「アクリリック・プラスが」一押しです。

リーズナブルなアクリルガッシュが欲しいかた

アクリルガッシュはアクリル絵の具よりも値段が安い傾向にあります。

しかし、さらにリーズナブルな製品もあります。

それが「ぺんてる アクリルガッシュ」「サクラクレパス アクリルガッシュ」です。





ぺんてるやサクラクレパスはリーズナブルな画材を販売しているメーカーです。

ターナーやリキテックスよりも値段が安いので、「とりあえず使ってみたい」というかたにおすすめです。

ただし値段が安い絵の具は退色が速い傾向にあるので、何十年という長期保存には向かないでしょう。

ぺんてるやサクラクレパスの絵の具の質は決して悪くはありませんが、練習用として使うのが妥当なところでしょう。

さあ、アクリルガッシュを使ってみよう

アクリルガッシュの特徴が分かったら、あとは実践あるのみです。

デザイン画で使うも良し、キャンバスでアート作品を作るのも良いでしょう。

アクリル絵の具とアクリルガッシュは同じ画面で併用できます。

アクリルガッシュを使うのに慣れてきたら、試してみてくださいね!

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