メディウムって何?メディウムの種類と役割について

  1. メディウムとは
  2. 良く使用されるメディウム
    1. ジェッソ
    2. モデリングペースト
    3. ジェルメディウム

メディウムとは

メディウムとは「媒体」という意味で、豊富なメディウムはアクリル画の醍醐味の一つです。

下地として使われるものから、絵の具と混ぜて艶を出すもの、艶を消すもの、砂の様な質感にするもの、ガラスビーズの入っているもの、粘り気のあるタッチを出すもの、ひび割れさせるものまで多種多様なメディウムがあり、制作の幅を広げてくれます。

ジェルメディウムやグロスメディウム、アルコール、顔料や顔料ペーストを自分で混ぜ合わせてアクリル絵の具を自作することもできます。

ただし、顔料の中には有害性を持ったものもあるため適切な材料や方法で行うことや注意が必要です。絵の具の毒性については毒性について で詳しく説明しています。

良く使用されるメディウム

水彩絵の具用、油絵の具用、アクリル絵の具用と、それぞれに専用のメディウムがありますので、アクリル絵の具には必ずアクリル絵の具用のメディウムを使用します。

メディウムはメーカーや種類によって特徴が様々で、多くの選択肢があります。また、下地材として使う、絵具に混ぜて使うだけでなく、支持体の上に紙やティッシュを配置してモデリングペーストを塗ることで固定し、盛り上げやマチエールを作ることや、ジェルメディウムで素材を張り付けるコラージュなどの技法まで視野に入れると膨大な手段が生まれます。

大体がメーカーによって描画サンプルなどが提示されていますが、使い方によって様々な表現が可能になります。


ジェッソ

アクリル絵の具の下地剤として広く使用されています。

通常のジェッソは白ですが、絵の具を混ぜて色を付けることや絵の具の白の代用にすることも可能です。白っぽくない、濃い色の下地を作りたいときはカラージェッソ、黒い下地を作りたいときにはブラックジェッソなどを活用します。

他には油絵の具/アクリル絵の具両用キャンバスに油絵用の下地として使われることや、立体の制作で発泡スチロール(ビーズ法ポリスチレンフォーム)や押出法ポリスチレンフォームに、表面を保護する・発色を良くする・平滑にするための下地として使われることがあります。

平面でも立体でも、平滑にしたい場合は塗りとサンドペーパーによるヤスリを何度か繰り返します。

下地材の上に絵の具を塗った状態。

油絵具の下地やその注意点については「油絵具と併用する」で、発泡スチロールや押出法ポリスチレンフォームの下地やその注意点については「その他支持体ごとの下地の作り方」 で説明しています。


モデリングペースト

よく使用される下地用の白色盛り上げ剤です。ジェッソよりも盛り上げや凸凹の穴埋めに向いており、タッチの付いた下地にも適します。

盛り上げすぎるとひび割れることがありますので、厚く盛りたい場合は厚く盛れることに特化したモデリングペーストを使うか、ジェルメディウムを加えることで対策を行います。

乾燥後にカッターや彫刻刀で削り出すことや掘ることが可能です。その際手を滑らせて怪我をしないように注意します。メーカーの中には、材料に大理石が含まれているものもあります。


ジェルメディウム

モデリングペーストよりも透明かつ柔軟な盛り上げ剤です。

流動性を良くするメディウム(例:グロスポリマーメディウム(リキテックス)、グロス メディウム(ホルベイン)など)よりも粘度が高いため、絵の具の硬さを維持することができます。

逆に描きづらいと感じたら先ほど例に上げた流動性を良くするメディウム類を追加します。



この三つの他にも、ガラスビーズゲル(ゴールデン社(Golden Artist Colors, Inc.))やグラスビーズ(リキテックス)のように粒状の質感を出すことのできるメディウムや、セラミックスタッコ(リキテックス)のように漆喰の質感を出せるメディウム、クラッキングメディウム(ターナー色彩株式会社)やクラックルペースト(ゴールデン社)のようにわざとひび割れを起こさせるメディウムなど、様々なメディウムが開発されています。

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