たらしこみ技法(ウェット・オン・ウェット)の紹介とやり方

どのような表現か

ウェット・オン・ウェット(wet-on-wet) やウェット・イン・ウェット(wet-in-wet)とも言います。先に水や薄めた絵の具を支持体に塗り、それが乾かないうちに別の絵の具を筆で流し込みます。

使い方と利点

滲みのグラデーションだけで描きたい場所や、描写する部分の下地などに使える技法です。筆で滲ませながら描くのとはまた違う、筆跡の残らない偶発的な美しいグラデーションができます。

筆で物を描きながら色をグラデーションにしようとすると、形をとる作業と色の配置作業を同時にしなければなりません。またアクリル絵の具は乾きが早いため、作業に手間取ると絵の具が乾いてしまい予想しないムラができることがあります。

たらしこみはあらかじめ描きたい形に水を置いた後に色を流し込むので、形をとる時は形だけに、色の配置は色だけに集中することができます。

たらしこみのやり方

紙の上に水を引き、そこに青と黄色の絵の具をたらしこんだ。

1.水または水で多めに溶かした絵の具で描きたい形や面を塗りつぶします。必要ならばあらかじめ鉛筆などで薄く下書きをしておきその範囲を塗ります。

2.1で絵の具を使った場合は筆を洗い、次に滲ませたい色をとります。1で水や絵の具を敷いているのでその分薄まることを考慮して絵の具を溶きます。

3.1で敷いた水が乾かないうちに筆の色を移します。複数色使いたい場合は濁りすぎないように注意しつつバランスを見ながら色を置いていきます。

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