スパッタリング技法

スパッタリングとは、網とブラシを使って絵の具を細かい霧状に飛ばす技法です。手で飛ばすためエアブラシとは違った味わいになりますが、エアブラシよりも絵の具の希釈調整がやりやすいことや機械の調整が不要で手軽なことから、アクリル画初心者で細かい粒状の表現を行いたい人にもおすすめの手法です。

スパッタリングに使う道具については「スパッタリング用品」で説明しています。

※スパッタリングは絵具が飛ぶため、周囲に新聞紙を敷き、汚れてもいい服装や環境で行ってください。アクリル絵の具は水彩と違い服や壁、床につくと取れませんので注意が必要です。

1. 絵の具を溶きます。絵の具の粘度は自分がどれくらいの濃さで描きたいかによります。濃すぎると上手く飛びません。
2. 筆で絵の具を網につけます。付けすぎるとブラシで飛ばす前に思わぬところに垂れることがありますのでほどほどに付けます。
3. 網の上でブラシを往復させながらこすりつけ飛ばします。

スパッタリングは、スパッタリングをした部分とそうでない部分の差を作るとよりその表現が映えます。そうした差を作るのに便利なのがマスキングです。マスキングについては「マスキングテープ・シート・インク」で詳しく説明しています。

スパッタリングは、異なった色相の絵の具を飛ばすことでグラデーションのように見せることができます。

その際、赤と緑の様な補色を使うよりも、赤と紫、青と緑、緑と黄のように隣り合った色相同士を重ねると綺麗なグラデーションになりやすいです。もちろん、あえて赤と緑やオレンジと青などで目立たせるのもありです。マットなアクリルガッシュで補色同明度の絵の具を使えばハレーションの効果も得られて面白いかもしれません。