アクリル絵の具でグラデーションに塗る方法

グラデーションに塗る主な方法をあげると二種類あります。

刷毛や筆を使い色の境目をぼかしながら塗る方法と、色を数段階に分けて作っておきマットに塗り分ける方法です。他にはスポンジやローラーでぼかす方法もありますが、ここでは割愛します。

グラデーションを作る方法は人によって様々で、刷毛を使うのか、大きな平筆を使うのか、二色を先においてから間をぼかすのか、それとも筆でとりつつ徐々にぼかすのかなど、人によって手順が全く異なります。

ここでの紹介はあくまで一例ということを念頭に、自分のやりやすい、綺麗に塗ることの出来る方法を探してみてください。

刷毛でぼかしながらグラデーションを作る

油刷毛でぼかす方法は、後述の塗り分ける方法と違いグラデーションに段差が存在せず、滑らかなグラデーションであることが特徴です。

アクリル絵の具の希釈濃度によってグラデーションの質感が水彩寄りのにじみになるのかマット寄りになるのかが決まります。

使う道具

  • アクリル絵の具またはアクリルガッシュ
  • 刷毛または平筆
  • その他水など
手順1

グラデーションにしたい二色を決めます。

手順2

支持体に刷毛で水を軽く引いておきます。

水を引くことで乾きの速度を緩めることや色の馴染みを良くすることができます。

水を多く引くと意図しない滲みの原因になりますので、軽くにしておきます。

濃く塗りたい場合は水を引かなくても大丈夫ですが、その分絵の具の乾きが早くなるため3、4の作業を素早く行う必要があります。

手順3

刷毛または平筆で一色取り、グラデーションの中心当たりまで塗ります。その隣に別の色を一色目と重ならないよう塗ります。

手順4

二色の境目に筆を往復させて馴染ませます。

色面で塗り分けてグラデーションを作る

色面で塗り分ける方法は、前述の刷毛でぼかす方法と違いグラデーションに段差が生じます。

このグラデーションは基本的に全色不透明であるアクリルガッシュで塗ります。通常のアクリル絵の具だと透明度の高い絵の具も存在するため、諧調の境界線が重なるとそこだけ不自然になってしまうことが懸念されます。

塗り分けによるグラデーションは、同じ色を使っていてもどの諧調をどのくらいの範囲塗るかによって全く違う表現になることが特徴です。

この方法は線のがたつきや色むらが顕著に表れますので、美しい平塗りが必須になります。しっかりと計画性をもって作業することが重要です。

使う道具

  • アクリルガッシュ
  • 面相筆
  • 平筆
  • 溝引き定規と溝引き棒(もしくは定規と烏口)
  • 下書き用の鉛筆、消しゴム
  • その他水など
手順1

グラデーションの始まりの色と終わりの二色を決めます。

手順2

絵具皿にその2色と、何段階かに分けて混ぜ合わせた絵の具をそれぞれ溶きます。

例えば黄色から緑のグラデーションを作りたい場合、黄色、黄色寄りの黄緑、中間の黄緑、緑寄りの黄緑、緑という具合に絵の具を作ります。

作る色の数は自分がどれだけ細かくグラデーションをさせたいかによります。別の絵の具を混ぜている間にすでに混ぜた絵の具が乾いてしまうことがあるため、一色作るごとにラップを絵具皿にかぶせて水分を飛ばさないようにします。

アクリルガッシュでマットに塗るときの希釈濃度については「マットに描く」で説明しています。

手順3

グラデーションの各色の境目を鉛筆で下書きします。この際、グラデーションを均等に分割してもいいですが、分割の比率のバランスを崩すとまた違ったメリハリがつきます。

手順4

面相筆と溝引き道具、もしくは烏口と定規で各諧調の淵を塗ります。乾いていない状態で隣り合っている色を塗ると滲んでしまうので必ず隣の色が乾いてから次の色を塗ります。

溝引きの方法は「溝引きで直線を引く」、烏口の使用法は「烏口を使う」で説明しています。

手順5

各諧調の淵の塗り分けが終わったら面を平筆で平塗りします。

綺麗な平塗りの方法は「マットに描く」で説明しています。

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