描いた作品をデジタルデータで保存するには

画像データは作品そのものの代わりにはなりませんが、様々な利点があるため、記録を残しておくことをおすすめします。

利点

  • 実物を紛失した際や手放した際でも、作品の記録は残しておくことができる。
  • Webサイトや画像投稿が可能なSNSを使って、作品を人に見てもらうことができる。
  • 写真を使ってポストカードなどを作ることができる。
  • 画像を一覧で並べて自分の作品の遍歴を確認することができる。

保存方法

カメラで撮影
作品の記録となるため、できる限りいい機材で撮るに越したことはありませんが、今のカメラは性能が良いため、ピンボケや光に気を付ければ十分なことが多いです。
スキャナで取り込む
平面作品でスキャナで読み取れるサイズのものはスキャナを使うのもありです。または入りきらなくても画像編集ソフトが扱えるならば分割して取り込んだ画像を後から繋げることもできます。
スキャナの欠点としてどうしても細かいゴミが画像に移りこみがちになります。ゴミを消してくれる自動補正も思わぬところが飛んでしまう可能性があるため、レタッチはできる限り自分で行いたいところです。
またスキャナ自体が汚れていると汚れやゴミが画像に入り込む確率が増えるため撮影前に掃除しておきます。

保存形式

カメラの撮影設定を見ると、RAWやJPEGなどの形式が用意されています。RAWとJPEGの違いについては後ほど説明します。

スキャナはPDFやJPEG、PNGなどが用意されています。作品画像の場合はJPEGかPNGをおすすめします。

注意点

撮影や保存をする画像サイズと解像度
画像サイズや解像度が小さすぎるとデータ保存をするメリットがあまりありません。例えば、小さいサイズで保存してしまうと、印刷物に使おうとした際サイズが足りずに荒い印刷になってしまうなどトラブルのもとになります。
自分がどのような用途で使う可能性があるのかを考え、適切なサイズや解像度で保存します。印刷などに使う可能性があるなら印刷予定以上のサイズや解像度で撮影、保存したほうが安心です。
必要ピクセル数やdpi(dot per inch)は印刷したいサイズや色によって異なります。また外注するカラー印刷には300~400dpiの画像データを要求されることが多いですが、JPEGデータは72dpiで保存されることが多いです。
その場合編集ソフトで300~400dpiに変換するため、データサイズを計算しなければなりません。
一眼レフなどで撮影サイズを設定する際、L・M・Sなどで表記されていて印刷に適したサイズが分からない場合は、商品使用説明書やオンラインpdfに、適した印刷サイズの表が記載されていることがあります。
RAWデータは現像時に解像度を設定することができます。
スキャナは多くのものが保存解像度を指定することができます。
カメラ撮影の際の光源の向きや量、影
作品、特に立体作品は、当たる光の具合や落ちる陰の形によって印象が大分変化します。必要ならばライトを当てる、撮影時間を変えて太陽光の当たり具合を変える、レフ板を使って反射光を入れるなどの対策を行います。
面白い形の影ができるなら、それを消そうとせずにあえて映えるように撮るのも手です。
HDD以外にオンラインでも保存
画像を保存していたPCやHDDを紛失、水没によってデータが使えなくなるトラブルを避けるために、オンラインのデータ保存サービス(DropboxやGoogleドライブなど)を使ってバックアップを取っておくのも手です。
安全性は各サービス提供会社から二段階認証を採用するなどの様々な方法が提示されています。

RAWとJPEG

カメラの設定で保存できるRAWとは、JPEGと違い現像前のデータにあたるため、ホワイトバランスや彩度などの調整を、高画質のデータを用いて変更することができます。ただし、JPEGよりも持っている情報が多いため、必然的にデータサイズも大きくなります。

メリット

RAW

  • 現像前のデータのため、ホワイトバランスや露出、彩度などの調整が後からできる。
  • JPEGデータに画像編集ソフトでホワイトバランスや彩度を調整して保存するよりも劣化度合いが小さい。

JPEG

  • ファイルサイズがRAWに比べて小さい。
  • RAWを扱うよりPCが重くならず編集しやすい。
  • JPEGはほとんどのPCで表示できるため、RAWと違い対応アプリケーションが必要ない。

デメリット

RAW

  • RAWが扱える対応アプリケーションがいる。
  • ファイルサイズが大きいため、撮影時にメモリーカードの空き容量の減りが早い。
  • データをPCや外付けHDDに保存しておくのにそれなりの容量を持ったHDDなどが必要。ファイル移動させるのも時間がかかるためできれば高性能なPCやHDD使用が好ましい。

JPEG

  • レタッチなどの編集と保存を繰り返すと画像が劣化しやすい。

どのように使い分けるか

レタッチ作業中は、RAWデータも保存しておいた方がいいです。ずっと保存しておきたいこともありますが、HDDの容量上どうしても難しいこともあります。

その場合、レタッチを行い、解像度やサイズが十分に足りていることを確認して、問題がなければJPEGで保存し、RAWデータは破棄するのが現実的です。

逆に、後ほど様々なバリエーションのレタッチをする可能性があるものや、大きな印刷をする予定のあるものは、しばらくRAWを保管しておいた方が安心です。

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